- 「広報」や「編集」の概念を常時アップデートしていく感じで -

(2015年3月作成 / 2017年3月追記)


数年前から自分で「ライター」と名乗ることは禁止して、代わりに「PR Editor」とかいうハイパーメディアなんちゃら的な肩書を名乗りだした。

これはこれで純粋に「ライター」を探している人には刺さらないみたいなデメリットもあるけど、未来を見据えたら悪くない戦略なんじゃないかと思っています。

メディアとライター増えすぎてて差別化がきつい問題

とにかく最近は「ライター」が増えた。「メディア」が増えたことが大きな原因だけど、最近 Wantedly とかすごいよね。「○○なメディアを一緒に作っていきたい学生ライター・インターン生をウォンテッド!!」みたいな求人が溢れてる。(※ちょっと前まではランサーズとクラウドワークスに溢れてたのが、クラウド→内製化の流れもあって自社で人件費の安い素人ライターを抱えるようになったのも大きい)

で、そんな中で、「素人大学生ライターと “明確に” 差別化できないと同列に扱われて買い叩かれてつらいだろうな…」 と感じたのと、純粋にライターとしての自分にさほど自信を持ってない(ディレクション、マーケティングのほうが強い)のと、「ふーん、ライターねぇ。そこらのクソメディアの PV 稼ぎに付き合ってるの?」みたいな誤解をお手軽に回避できるってことで、数年前に「ライター」という肩書を捨てました。


“明確に” ってのがポイントだと思っていて、もちろん経験半年の大学生ライターと経験10年の大人ライターでは原稿のいたるところに差があるんですが、いわゆる「3万円のワインと3,000円のワインをブラインドで当てられますか」みたいな話で。

発注企業が社内で決済とるときに「なんで3万も払うの? 3,000円で書いてくれる人いっぱいいるじゃん」って話が出ることは間違いなく、つまりは 自分ではなく、企業の担当者(not ライター)が上司らに「1記事30,000円のライターは3,000円のライターよりココがすごいんです」とハッキリ説明できるかどうかがポイントなんですね。

「もっと安いところがある」というすてきなロジックはデザイナーやエンジニアも苦しめられる問題ではあるのですが、ライティングはちょっと難易度が違います。

エンジニアやデザイナーの仕事は「素人にはできない、難しそうな仕事」だからまだ比較的守られますが、日本語を書く仕事なんてものは尊重されづらいです。論理的には納得できても、感情的に納得しづらいです。

もちろん、ライティングと名のつく仕事は基本的に苦しいので、メディアのライティングだけでなく、たとえばコピーライティング(キャッチコピー制作)なんかに関しても問題を引き起こしています。

当たり前のことですが、20字や30字のテキストが保有できる情報量なんかとんでもなく少ないんですよ。作曲やデザイン以上に 「削ること」「凝縮すること」 が大切な仕事です。

どうも、宣伝会議賞が盛り上がったり SNS で名作まとめみたいなのがバズってたりするせいか、「キャッチコピー」という言葉には魔法のようなイメージがあるようで、「コピーライターを使えばすごい数字につながる」と、高いハードルを用意される気がします。オウンドメディアみたいな。

引用: キャッチコピーの作り方とかコツとか以前にまず「少ない文字数で何をするか」ハッキリさせることが大事

「金払ってやったんだから魔法の杖つくれよ」というすてきな案件はデザイナーやエンジニアも苦しめられますが以下同文。

で、僕は現実的に「企業内の発注者がライターの力量を見極めたり、ライティングの目的や役割を理解した上で依頼する」なんていうバラ色の未来は来ないだろうと思い、さっさと「ライター(自分がメディアの原稿などを書くことに対して報酬をいただく仕事)」という領域へのこだわりを捨てました。もちろん不安もあったけど、勝ち目の薄い競争をし続けるのはしんどいので。

将来性が不安なら、情報を凝縮するスキルを生かせる仕事を「ライター・編集者」以外の領域で考えていかないと

でも自分の価値ってのは「情報を凝縮(圧縮)する」ことだし、結局は近い世界で勝負するしかないし、さて現実的にこれからどうしようかなぁ…と思ったときに天から降ってきたのが「PR」と「ライター・編集者」の融合でした。昔めっちゃ先見の明ある会社(仕事はきついけど)にいてよかった。

企業広報ってのは良い記事を書いたり書いてもらったり、あと市場見ながらあちこちに足を運んだりと、ライターや編集者ライクなスキルが生かせるポジションなんだなと。そして最近だと特に、プレスリリース書いたり記事書いてもらっただけでは広報にならないから広報も職務領域を超えて頭使うことが求められてるし。

で、つい最近、サムライトの後藤さんがモデレーターをやらはった(※方言)イベントのログミー書き起こし記事を読みまして、もしかしてこれ自分の方向性は世間に求められてきたんじゃね?と嬉しくなったのでクリップ。

職種名にこだわる人はだめだと思っていて、「ライター=書く」「編集者=まとめる」というような雑誌自体のクラシカルな定義が残っているので。NewsPicksの佐々木さんとかが、「編集を再定義する時代が来た」みたいなことを話していて、すごい興奮したんですやっぱり。編集もそうでしょうけれども、ライターもコミュニケーションの仕事だと思っていて、「コミュニケーションを作っています」という一言でいいと思うんですよね。

出典:「書くだけのライターはもう要らない」いまWebで稼げるライターの条件とは?(ログミー)

特に最近はオウンドメディアブームだしメディア過多・情報過多時代だし。「ただバズるだけより、PV=3でもコンバージョンにつながるように設計すべき」「さらに言うと、メディアという手段にこだわらず、継続的にアクセスしてくれるファンを増やすことを意識すべき」みたいな流れになるよね。

そうなってくると自社に編集者やライターを抱えるか連載枠設ける方が理にかなってるから、内製化&一部のプロライター(筆力+固定ファンを多く持つ)のみ優遇される、って感じになるよね。ランサーズとかは単なる登竜門というか、実績稼ぎ(になるのかは知らん)の場として割り切るしかない。ひたすら数をこなすという肉体作業。ライティング土方みたいな。つらい上に将来も不安定だなそれ…。

記事単価が上げづらい時代、普通のライターは「数」が求められるから身体もしんどい

あと、尖った人の集まりってもあってこれ面白かった。

たとえば今はバイラルメディアとかいろいろあると思うんですが。具体的な社名は置いときますけれども、1記事500円とか300円とかで書いてくださいみたいな、ビジネスで使える企画書の書き方を300円で書いてくださいとか、いい企画書をつくれる人が300円で書くわけないだろうと僕は思うんですけれども、 そういうような依頼が結構増えているんですね。

「その発注クラウドワークスで見たことあるー! 社名も知ってるー!」ってなったのはここだけの秘密ですが、まぁあるあるですね。

ちなみにクラウドワークスで在宅ライターに記事を大量発注してた某社は「慣れたライターさんですとこれくらいの記事は15分くらいで書けると思いますので、時給にすると2,000円くらいですね」みたいな言い方をしてて、うまいなぁと思いました。

ベテランはまず引っかからないですけど、ライターになったばかりの新人とかは「プロのライターはこれくらい15分で書けるのか…。2時間かけてる自分はまだまだなんだな…」と不安になり、「よし、身体はきついけど、将来のためにもたくさん書いて腕をあげよう!」と思ってしまいますよね。そして泥沼へ(リアルの知り合いがこんな感じになってたらしんどいなぁ)…。

実際、2014年とかは、記事コストを下げて量産して、数の暴力的な発想で検索流入増やしてPV数を確保する…ってのが一つの必勝パターンでした。

今も、メディアはどんどん乱立されてるし、ライターもどんどん増えてるけど、出版不況&ライター買い叩き現象で「ライター」にこだわる人はどんどんレッドオーシャンになるのは間違いないし、自分は自分で

『ライター・編集者と PR 人の力で、他者とのつながりをより良くします』

と言い続けていこうと思います。

【2017年3月追記:さらに競争力をつけるため、最終的には「Webマーケティング」「Web制作」も取り込んで、「Webのものづくりと発信行為全般」を守備範囲にしました】

薄利多売のライターとか編集者やっててつらいなら、他にもいろいろ仕事はあるよ【2017年3月追記】

はい。

あれから2年。

サムライトとか、2015~16シーズンは結構いいポジションにいた気がするけど、勢力図はすっかり変わってしまった。

個人的に期待していた「マーケティング×編集」みたいな言説があんまり好まれなくなっていて、単純におもしろい記事を書いた会社が支持されるようになっていった。

「これからのメディア」みたいなイベントも、2015年頃は起業家とか事業部マネージャみたいなビジネスサイドの目線を持った人たちが登壇されてたのに、最近は “職人” みたいな人たちがもてはやされている。しかもやたら同じ人達が登壇している。 それってリアルに「ライターの将来性」とか考える上ではどうなんと思うことも多々ある。だってビジネス感覚ない人は先が読めるわけもないし、ただ願望語るだけになるでしょう。

「いいコンテンツをつくったことがある人」は「いいコンテンツの作り方」は教えられるけど、「この先どんなスキルが必要か」なんか教えられるわけないんですよ。それを教えられるのは「これまでビジネスで新しい波に乗って儲けてきた人」です。 冗談きついですよ。

WELQ 騒動もあって編集者とかライターが「いいコンテンツをつくってれば未来がある」「あくまでコンテンツ作りをやることが仕事だ」と思い込もうとしてる感がある。さすがに現実見えてなくて疲れる。

だって結局、「3万円のライターと3,000円のライターの違いがわかりますか。わかりませんよね、じゃあ3,000円のほう使いましょう」みたいな問題は何も解決してないじゃないですか。300円のライターは企業からも Google からも見放されるようにはなりつつありますけど。

もちろん、ライターとか編集者がいい記事をつくることは競争力になるけど、そのハードルはどんどん高くなっていくし、必須要件としてマーケティングをわかってる人がそのコンテンツの使いみちを考えるべきなんですよ。ライターも編集者も、もっと頭使って「ライティング×○○」「編集×○○」を考えていくほうが将来的には価値が上がる。

3年前くらいに舵を切った自分の市場価値も、この3年くらいでかなり上がったなぁと思います。Web マーケ全般できて、メディア運用の実績あって、開発チームとも同じ文化(Slack や GitHub)で仕事できるから、スキル・経験的には将来への不安はまったくありません。

こんな記事を書きました:welq騒動の結果、編集・メディア界隈に蹴鞠チームができないことを願う

  • 各種 Web サイト上の文章を書くのはディレクター(会話は得意でも書くことが苦手な人はいる)
  • プレスリリースを書いたり SNS を運用するのは広報担当者かバックオフィス担当者(同上)
  • Web 動画の構成考えたり字幕テキストの訴求文を書くのは映像ディレクター(同上)
  • 提案書やプレゼン資料のストーリーを考えたり短いフレーズでポイントをまとめるのはディレクターやマネージャ(若いときは時間なくて雑になったりする)
  • 求人広告を書くのは求人広告ライターという限定的な職種(そしてフォーマットが決められすぎていて表現に限界が…)
  • 情報商材屋さんが毎日更新する FB ページやメルマガを書くのはセールスライターという限定的な職種(まず彼ら自身が率先してナントカライティング術みたいな情報商材を売っててこわい)
  • ネット広告の文章を書くのは代理店とかの広告運用スタッフ(時給 1,000 円のバイトの場合もある)

(上記記事より引用)

これだけの「書く仕事」が、他の職種の人が「ついでに」やる仕事として消化されています。マーケティング思考で考えれば、メディアの記事なんかの予算を取りにいくよりこっちを取りにいくほうが断然儲かると思います。

--

とりあえず近い将来、2019年の3月、ライターとか編集者を取り巻くつらい環境がどうなっているか、また2年間潜りつつ注目していきたいと思っています。

「ライター」として仕事してても素人との差別化が難しいし、将来性も不安だしつらいことだらけでは…

(2015年3月作成 / 2017年3月追記)


数年前から自分で「ライター」と名乗ることは禁止して、代わりに「PR Editor」とかいうハイパーメディアなんちゃら的な肩書を名乗りだした。

これはこれで純粋に「ライター」を探している人には刺さらないみたいなデメリットもあるけど、未来を見据えたら悪くない戦略なんじゃないかと思っています。

メディアとライター増えすぎてて差別化がきつい問題

とにかく最近は「ライター」が増えた。「メディア」が増えたことが大きな原因だけど、最近 Wantedly とかすごいよね。「○○なメディアを一緒に作っていきたい学生ライター・インターン生をウォンテッド!!」みたいな求人が溢れてる。(※ちょっと前まではランサーズとクラウドワークスに溢れてたのが、クラウド→内製化の流れもあって自社で人件費の安い素人ライターを抱えるようになったのも大きい)

で、そんな中で、「素人大学生ライターと “明確に” 差別化できないと同列に扱われて買い叩かれてつらいだろうな…」 と感じたのと、純粋にライターとしての自分にさほど自信を持ってない(ディレクション、マーケティングのほうが強い)のと、「ふーん、ライターねぇ。そこらのクソメディアの PV 稼ぎに付き合ってるの?」みたいな誤解をお手軽に回避できるってことで、数年前に「ライター」という肩書を捨てました。


“明確に” ってのがポイントだと思っていて、もちろん経験半年の大学生ライターと経験10年の大人ライターでは原稿のいたるところに差があるんですが、いわゆる「3万円のワインと3,000円のワインをブラインドで当てられますか」みたいな話で。

発注企業が社内で決済とるときに「なんで3万も払うの? 3,000円で書いてくれる人いっぱいいるじゃん」って話が出ることは間違いなく、つまりは 自分ではなく、企業の担当者(not ライター)が上司らに「1記事30,000円のライターは3,000円のライターよりココがすごいんです」とハッキリ説明できるかどうかがポイントなんですね。

「もっと安いところがある」というすてきなロジックはデザイナーやエンジニアも苦しめられる問題ではあるのですが、ライティングはちょっと難易度が違います。

エンジニアやデザイナーの仕事は「素人にはできない、難しそうな仕事」だからまだ比較的守られますが、日本語を書く仕事なんてものは尊重されづらいです。論理的には納得できても、感情的に納得しづらいです。

もちろん、ライティングと名のつく仕事は基本的に苦しいので、メディアのライティングだけでなく、たとえばコピーライティング(キャッチコピー制作)なんかに関しても問題を引き起こしています。

当たり前のことですが、20字や30字のテキストが保有できる情報量なんかとんでもなく少ないんですよ。作曲やデザイン以上に 「削ること」「凝縮すること」 が大切な仕事です。

どうも、宣伝会議賞が盛り上がったり SNS で名作まとめみたいなのがバズってたりするせいか、「キャッチコピー」という言葉には魔法のようなイメージがあるようで、「コピーライターを使えばすごい数字につながる」と、高いハードルを用意される気がします。オウンドメディアみたいな。

引用: キャッチコピーの作り方とかコツとか以前にまず「少ない文字数で何をするか」ハッキリさせることが大事

「金払ってやったんだから魔法の杖つくれよ」というすてきな案件はデザイナーやエンジニアも苦しめられますが以下同文。

で、僕は現実的に「企業内の発注者がライターの力量を見極めたり、ライティングの目的や役割を理解した上で依頼する」なんていうバラ色の未来は来ないだろうと思い、さっさと「ライター(自分がメディアの原稿などを書くことに対して報酬をいただく仕事)」という領域へのこだわりを捨てました。もちろん不安もあったけど、勝ち目の薄い競争をし続けるのはしんどいので。

将来性が不安なら、情報を凝縮するスキルを生かせる仕事を「ライター・編集者」以外の領域で考えていかないと

でも自分の価値ってのは「情報を凝縮(圧縮)する」ことだし、結局は近い世界で勝負するしかないし、さて現実的にこれからどうしようかなぁ…と思ったときに天から降ってきたのが「PR」と「ライター・編集者」の融合でした。昔めっちゃ先見の明ある会社(仕事はきついけど)にいてよかった。

企業広報ってのは良い記事を書いたり書いてもらったり、あと市場見ながらあちこちに足を運んだりと、ライターや編集者ライクなスキルが生かせるポジションなんだなと。そして最近だと特に、プレスリリース書いたり記事書いてもらっただけでは広報にならないから広報も職務領域を超えて頭使うことが求められてるし。

で、つい最近、サムライトの後藤さんがモデレーターをやらはった(※方言)イベントのログミー書き起こし記事を読みまして、もしかしてこれ自分の方向性は世間に求められてきたんじゃね?と嬉しくなったのでクリップ。

職種名にこだわる人はだめだと思っていて、「ライター=書く」「編集者=まとめる」というような雑誌自体のクラシカルな定義が残っているので。NewsPicksの佐々木さんとかが、「編集を再定義する時代が来た」みたいなことを話していて、すごい興奮したんですやっぱり。編集もそうでしょうけれども、ライターもコミュニケーションの仕事だと思っていて、「コミュニケーションを作っています」という一言でいいと思うんですよね。

出典:「書くだけのライターはもう要らない」いまWebで稼げるライターの条件とは?(ログミー)

特に最近はオウンドメディアブームだしメディア過多・情報過多時代だし。「ただバズるだけより、PV=3でもコンバージョンにつながるように設計すべき」「さらに言うと、メディアという手段にこだわらず、継続的にアクセスしてくれるファンを増やすことを意識すべき」みたいな流れになるよね。

そうなってくると自社に編集者やライターを抱えるか連載枠設ける方が理にかなってるから、内製化&一部のプロライター(筆力+固定ファンを多く持つ)のみ優遇される、って感じになるよね。ランサーズとかは単なる登竜門というか、実績稼ぎ(になるのかは知らん)の場として割り切るしかない。ひたすら数をこなすという肉体作業。ライティング土方みたいな。つらい上に将来も不安定だなそれ…。

記事単価が上げづらい時代、普通のライターは「数」が求められるから身体もしんどい

あと、尖った人の集まりってもあってこれ面白かった。

たとえば今はバイラルメディアとかいろいろあると思うんですが。具体的な社名は置いときますけれども、1記事500円とか300円とかで書いてくださいみたいな、ビジネスで使える企画書の書き方を300円で書いてくださいとか、いい企画書をつくれる人が300円で書くわけないだろうと僕は思うんですけれども、 そういうような依頼が結構増えているんですね。

「その発注クラウドワークスで見たことあるー! 社名も知ってるー!」ってなったのはここだけの秘密ですが、まぁあるあるですね。

ちなみにクラウドワークスで在宅ライターに記事を大量発注してた某社は「慣れたライターさんですとこれくらいの記事は15分くらいで書けると思いますので、時給にすると2,000円くらいですね」みたいな言い方をしてて、うまいなぁと思いました。

ベテランはまず引っかからないですけど、ライターになったばかりの新人とかは「プロのライターはこれくらい15分で書けるのか…。2時間かけてる自分はまだまだなんだな…」と不安になり、「よし、身体はきついけど、将来のためにもたくさん書いて腕をあげよう!」と思ってしまいますよね。そして泥沼へ(リアルの知り合いがこんな感じになってたらしんどいなぁ)…。

実際、2014年とかは、記事コストを下げて量産して、数の暴力的な発想で検索流入増やしてPV数を確保する…ってのが一つの必勝パターンでした。

今も、メディアはどんどん乱立されてるし、ライターもどんどん増えてるけど、出版不況&ライター買い叩き現象で「ライター」にこだわる人はどんどんレッドオーシャンになるのは間違いないし、自分は自分で

『ライター・編集者と PR 人の力で、他者とのつながりをより良くします』

と言い続けていこうと思います。

【2017年3月追記:さらに競争力をつけるため、最終的には「Webマーケティング」「Web制作」も取り込んで、「Webのものづくりと発信行為全般」を守備範囲にしました】

薄利多売のライターとか編集者やっててつらいなら、他にもいろいろ仕事はあるよ【2017年3月追記】

はい。

あれから2年。

サムライトとか、2015~16シーズンは結構いいポジションにいた気がするけど、勢力図はすっかり変わってしまった。

個人的に期待していた「マーケティング×編集」みたいな言説があんまり好まれなくなっていて、単純におもしろい記事を書いた会社が支持されるようになっていった。

「これからのメディア」みたいなイベントも、2015年頃は起業家とか事業部マネージャみたいなビジネスサイドの目線を持った人たちが登壇されてたのに、最近は “職人” みたいな人たちがもてはやされている。しかもやたら同じ人達が登壇している。 それってリアルに「ライターの将来性」とか考える上ではどうなんと思うことも多々ある。だってビジネス感覚ない人は先が読めるわけもないし、ただ願望語るだけになるでしょう。

「いいコンテンツをつくったことがある人」は「いいコンテンツの作り方」は教えられるけど、「この先どんなスキルが必要か」なんか教えられるわけないんですよ。それを教えられるのは「これまでビジネスで新しい波に乗って儲けてきた人」です。 冗談きついですよ。

WELQ 騒動もあって編集者とかライターが「いいコンテンツをつくってれば未来がある」「あくまでコンテンツ作りをやることが仕事だ」と思い込もうとしてる感がある。さすがに現実見えてなくて疲れる。

だって結局、「3万円のライターと3,000円のライターの違いがわかりますか。わかりませんよね、じゃあ3,000円のほう使いましょう」みたいな問題は何も解決してないじゃないですか。300円のライターは企業からも Google からも見放されるようにはなりつつありますけど。

もちろん、ライターとか編集者がいい記事をつくることは競争力になるけど、そのハードルはどんどん高くなっていくし、必須要件としてマーケティングをわかってる人がそのコンテンツの使いみちを考えるべきなんですよ。ライターも編集者も、もっと頭使って「ライティング×○○」「編集×○○」を考えていくほうが将来的には価値が上がる。

3年前くらいに舵を切った自分の市場価値も、この3年くらいでかなり上がったなぁと思います。Web マーケ全般できて、メディア運用の実績あって、開発チームとも同じ文化(Slack や GitHub)で仕事できるから、スキル・経験的には将来への不安はまったくありません。

こんな記事を書きました:welq騒動の結果、編集・メディア界隈に蹴鞠チームができないことを願う

  • 各種 Web サイト上の文章を書くのはディレクター(会話は得意でも書くことが苦手な人はいる)
  • プレスリリースを書いたり SNS を運用するのは広報担当者かバックオフィス担当者(同上)
  • Web 動画の構成考えたり字幕テキストの訴求文を書くのは映像ディレクター(同上)
  • 提案書やプレゼン資料のストーリーを考えたり短いフレーズでポイントをまとめるのはディレクターやマネージャ(若いときは時間なくて雑になったりする)
  • 求人広告を書くのは求人広告ライターという限定的な職種(そしてフォーマットが決められすぎていて表現に限界が…)
  • 情報商材屋さんが毎日更新する FB ページやメルマガを書くのはセールスライターという限定的な職種(まず彼ら自身が率先してナントカライティング術みたいな情報商材を売っててこわい)
  • ネット広告の文章を書くのは代理店とかの広告運用スタッフ(時給 1,000 円のバイトの場合もある)

(上記記事より引用)

これだけの「書く仕事」が、他の職種の人が「ついでに」やる仕事として消化されています。マーケティング思考で考えれば、メディアの記事なんかの予算を取りにいくよりこっちを取りにいくほうが断然儲かると思います。

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とりあえず近い将来、2019年の3月、ライターとか編集者を取り巻くつらい環境がどうなっているか、また2年間潜りつつ注目していきたいと思っています。