- 「広報」や「編集」の概念を常時アップデートしていく感じで -

ウェッブ屋なのでそう簡単に上位化できるものではないことはよくわかっていますが、もし本記事を読んで応援したくなったという方がいらっしゃったら滞在時間を伸ばしたりリンクをクリックしたりと、ユーザーとして最適な行動を取っていただけると最高にありがたいです。


この世はブランデー初心者に厳しいし、Googleはガチのブログ・メディアに厳しい


かつてはハイボールブーム、モヒートブーム、朝ドラ「マッサン」によるジャパニーズウイスキーブームがありましたが、最近ではクラフトジンブームが到来しており、バー界隈でも「おいおいついにスピリッツの売上まで伸ばしにかかってきたかサントリーとかニッカ(および広告代理店)すげぇな」と話題になっています。

しかし、私が大好きな薬草酒(シャルトリューズ)、ブランデー、ウオツカに関してはまったくの無風で、それはまぁ無駄に高騰しないとかメリットもあるんですけど寂しくもあり。

やっぱりブランデーやウオツカだと、まったくの素人が飛び込むにはハードルが高すぎるんですよね。教えてくれる人も周囲にいない(バーに飛び込んでも、平凡なバーテンダーだとそこまで詳しくない)でしょうし、調べようとしてもなかなか良い記事がない。

インタネッツのサイトでは「ブランデーダディ」さんという良サイトがあるのですが、他にはめぼしいところがありません。

まず、私としてもブランデー関連で検索したときの1位表示はブランデーダディさんに譲りたいというか、あのサイトがトップに来るべきだと思っています

Googleさんにも限界があるのでそういう理想論でゴリ押ししたくはないのですが、最終的には「Googleで上位にある記事を適当に読んでそこらのブランデーを味もわからないまま適当に飲んでSNSでおしゃれな自分アピールして満足する輩は別にそれで幸せなんだからほっとけばよくて、割とストイックに美味しい酒を飲みたいと探求する人と、そんな人に有益な情報を与えられる記事と、その記事に少しでもたどり着きやすくなる導線が増えればいいよね」というところに行き着きます。

医療とかだとそれでいいとはいえないんですけど嗜好品ならまぁ。

色々なブランデーサイトを見ていて、初心者におすすめ!とか書いているサイトを見ると「ヘネシーVSOP」や「レミーマルタンXO」とか「サントリーVO」とか、当たり障りのない全然面白くない事しか書かれていないブランデーweb事情に怒りを覚え(笑)「そんなのよりもっと初心者におすすめのうまいブランデーいっぱいあるわ!!」という心の叫びを世に示さなくては!という謎の使命感に駆られてこの文章を書いています。

引用:http://brandydaddy.com/blog/20160120_beginnerbrandy.html

このエモさですよ。500%同意です。

まぁブランデーダディさんも普通に他のサイトのテキストコピペとかしてる記事あるのでそれはどうなんだみたいな話はあるんですけど、クソ記事を量産してるキュレーションメディアやプロブロガーのうっすいおすすめ記事とかに比べたらブランデーに対する愛を感じるので全然。

味の違いを知るための飲み方───入門としてまず飲むべき銘柄3+1つ

もし初心者の中でも「ブランデーとか飲んだことないわ」ってレベルの場合、まず有名どころかつ特徴がハッキリしている

  • ヘネシー VSOP フィーヌ シャンパーニュ(XO 飲めるなら尚良し)、もしくはフラパン VIP XO
  • ポールジロー 25年(→機会があればぜひ35年も)
  • カミュ XO(試すという意味ではエレガンスでもボルドリでもよさげ)

を試してほしいです。美味しい銘柄は他にありますが、上から順番に「甘い・華やか系」「自然派・穏やか系」「塩気・旨味系」です。

このへんを試してブランデーの味の違いの方向性をなんとなく察したら、次にまとまっているバランス系の銘柄を。美味いのを選ぶとしたら「レイモンラニョー」なのですが、味の傾向を知るという目的であればまずは置いてある店が多い「レミーマルタン」「クルボアジェ」あたりですかね。盲点ですが4本目としては「オタール」とかも悪くはない気が。

飲み方はもちろんストレートです。

ウイスキーは加水することで香りが花開いたりしますが、ブランデーは常温でそのまま飲むものです。冷やしたり水で薄めるものではないため、ロックは相性最悪です。 (だから飲む人増えないんですけどね、フランスらしいこのめんどくささ)

また、「VSOP」「XO」とか変なアルファベットがついてるとこで最初は混乱しがちですが、これは熟成レベル(高級度)を表します。ウイスキーでは「ノンエイジ」「12年」「18年」とかシンプルで、モルトに近いポールジローだけは割とこういう年数表記がポピュラーなんですが、フランスの酒なのでここはオサレな言い方をしておきましょう。

このへんの詳細は俺たちのブランデーダディさんの記事を読めば一発なのですが、投げやり気味に言うと

VS(安物)<VSOP(ちょっと贅沢)<XO(贅沢品)

みたいな感じ。V は「VERY」で X は「EXTRA」で、もちろん EXTRA のほうが格上。中間にもはやアルファベットではない「ナポレオン」があったり、最上位クラスに「オルダージュ」「フロリレージュ」など(かなり贅沢品)があったりややこしいですが、そこもまたフランスの酒なので以下同文。

あと「コニャック=コニャック地方のブランデー。上品」「アルマニャック=アルマニャック地方のブランデー。パワフル」「カルヴァドス=ぶどうではなくりんごを原料にしたブランデー。甘口」というのも一行で紹介しておきますが今回はあまり関係ない話です。

各銘柄について簡単に紹介しますと

ヘネシー

日本人から見たら最もマーケティングに力が入っている有名ブランド。広告費もデザイン費もバンバン使うし添加物・着色料なんかもバンバン使う、とにかくフランスの誇りとしての「甘美で華やかなお酒」を体現しているブランド。個人的には好きです。


(画像出典: https://www.hennessy.com/

VSOP(フィーヌ・シャンパーニュです。プリビレッジのほうは全く別物なので注意)以上なら味は確かにいいんですが、高すぎる上に年々高騰しているのが最大のネック。VSOP が10,000円とかいう狂気の沙汰なのはヘネシーだけ。

モルトでいうならジャパニーズやマッカランみたいなポジション。高騰してるおかげで最近飲んでないんでマッカランみたいに味が落ちてたら教えてください。

フラパン

香水や珈琲も作ってたりする華やか系ブランド。XO のボトルは超かっこいい。

日本でブランデーが不人気&ヘネシーがマーケティング頑張りまくってるせいで不遇な感じがある。ヘネシーよりコスパは良い。今後はヘタしたらヘネシー VSOP とフラパン XO が同価格になりかねないので、それならどう考えてもフラパン飲むわって感じ。ただ置いてある店少ないんだよなぁ。

ポールジロー

コニャック語る上で知らなきゃモグリな自然派 No.1 ブランド。添加物とか一切使わずに純粋に素材の味と製造の腕で勝負してるだけあってとにかく美味い。シングルモルト(特にスペイサイド)が好きな人はすんなり入りやすい。

ただ、華という点では物足りないので、ブランデーならではという感じに欠けるのがネック。正直、ポールジロー35年飲むならモルトでいいんじゃないか説がある。ただ私のように「アイラ系は好きになれんけど、スペイサイド飲んでるくらいならブランデーいくわ」とモルト沼を抜けた人もいるように、このあたりがツボだといろいろ難しい気がする。

カミュ

特に VSOP だと塩気があってドライな味わい。シャープな仕上げにしたいときのカクテルベースとしても優秀だったりする。ちょっとクセのあるブランデーの入門としてはお店でも体験しやすい。XOだと当然熟成年数が長い分まろやかになるわけですが、どっしり華やか系統のコニャックに比べればクセは感じるはず。

ブランデーって感じがしないわけではないがちょっと独特です。モルトでいうスプリングバンク的な立ち位置。でもエドラダワーほどイロモノではない。ワインではシャブリ好きって方とかなら割と相性いいんじゃないか感がある。

レイモンラニョー

ポールジローと同様、自然派な製法にこだわっている。味わいはジローちゃんより華があり、味・香り・後味のバランスがとても良い。レモンハートのマスターなら「シャイな味わい」と評するんじゃないかってことで、モルトでいえばグレンリベット。

ただ日本では無名。バーでは「レミーマルタン」に、“バックバーの奥から出してくるボトル”としても「マーテル コルドンブルー」とかにポジションを奪われている感がある。コルドンブルーはもうちょいどっしりしてて甘味もあるので、もうちょい「わかりやすい」んですよね。んでヘネシーほど鼻につく感じではなく。

個人的に特に美味いと思うおすすめ銘柄───他の酒ならよく飲む人、初心者~中級者向け

おすすめのブランデーといっても「誰に」によってまぁ変わってくるので、属性にわけて紹介していきます。

まぁブランデーに手を出す人っていきなりブランデーにいくというよりはモルトやワイン、和酒をある程度飲んでいる感じだと思うので、他の酒からの浮気を想定したほうがいいのかなと。

甘い、華やかなのが好きな人

前述のフラパン XO。飲み干した後味、フィニッシュも長く、優雅な余韻が残ります。

あとは甘さ特化ではないけど、上でもちらっとふれた「マーテル コルドンブルー」とかですかねぇ。置いてる店多い印象あるし、ハズレだと感じる人は少ない気がするし、なんやかんやで偉大。モルトでいうシーバス感がある(日本人の好みに合う的な)。

個人的には、甘いのを突き詰めていくとカルヴァドス(一応ブランデーですが、ぶどうではなくりんごを原料にしているやつ)にいくのもありかなと思います。シャトー・ド・ブルイユとかデュポンとかは、フルーティーかつリキュールとか果実酒より度数しっかりしてるから甘ったるくなくて美味しい。

モルト好きなら

ポール ジロー トレ ラール 35年

無難とはいえやっぱりポールジローの35年になるんだろうなぁと。

25年(エクストラ・ヴィユー)まではフルーティなのでモルト好きにはむしろ合わない気がしますが、35年(トレラール)、50年(ヘリテージ)になると枯れた風味も出てくるのでモルト好きの舌には合うはず。

あとはモルトでいうボトラーズものみたいな感じで、ポールジロー最古のビンテージをブレンドした「キュベ・トレゾール・ド・パラディ」とかもいってみるとハマるかも。以前飲みましたが、とても上品な熟成感が印象に残っています。華やかではなく、ただひたすら「静か」で、そういう静けさが心地よい…と感じるタイプの方なら合うはず。なお私は合いませんでした(シャルトリューズとか好きなので…)。

日本酒とかベルギービールが好きな人向け

ドゥピュイ 1971年 ボルドリー 700ml×1本 / DUPUY 1971 VINTAGE COGNAC BORDERIES

たぶん好みが分かれるタイプのブランデーなのですが、「ドゥピュイ 1971年」は個人的にはおすすめ。

カミュの塩気を強化したような印象もあり、長期熟成でさっぱりしつつフレッシュさすらある至極品。テセロン LOT53(割と高級品)の後に飲んだのですが、完全に喰ってました。

カミュ VSOP とかだとスパイシーさ&ドライさを楽しむ・カクテルで利用するみたいになってますが、これはまるで新鮮な魚介類のような「旨味」をしっかり感じられます。香りよりは味わい特化型。

また、ヘネシーやフラパンのような後味がしっかり華やかに残るという感じとは対照的に、こちらは長期熟成品とは思えないほどすっきりしたフィニッシュ。軽快に飲み干せます(もったいないけど)。

個人的に一番好きなので紹介するけど、ワイン好きとかには良さそう

ラニョーサボラン フロリレージュ 700ml×1本

圧倒的な存在感、「ラニョーサボラン フロリレージュ」。

高級ワインならともかく、ウイスキーやクラフトジン飲んで「香りが華やかなんだよね~」とか言ってしまうようになった昨今の風潮に違和感を覚える方はぜひ。「華やかってのはこういうことなんだよ」と言わんばかりの、本場・フランスの本気を味わえます。

2万クラスのボトルとしては味はそこまで芸術的ではないんですが、香りだけで値段の価値はある。前述の「ドゥピュイ 1971」とは対照的です。

シャルトリューズが「飲む香水」と呼ばれますが、シャルトリューズ大好き人間からしてもその異名はこの酒のほうが似合う。

特段「こういう系統のが飲みたい」という指定がないとき

レイモンラニョー エクストラ ヴィユー 42度 700ml

前述の「レイモンラニョー」という銘柄。もっと評価されるべきだと思っている。

とにかくハイレベルでまとまっているなぁと。フィニッシュが長い割にはくどさ、枯れっぷりがないやさしい世界なので飽きずに飲めると思います。

できればオルダージュ(ボトルを自分で買うと2万弱)が良いと思いますが、予算抑えて試すならエクストラヴィユー(1万弱)。

次点でポールジローの25年ですかね。個人的には35より好きです。コスパもよし。

ジンやウオツカが好きな人はぜひ


冷凍して飲む無色透明なホワイトブランデー「ゴデ・アンタークティカ」。

フランスの頭おかしい(褒め言葉)ところがいかんなく発揮された一品。さすがジンもウオツカもぶどうで作ってしまう(ジーヴァインとシロック、大好きなんですけども)国だ。

熟成浅くて荒々しさというか鼻につく感じが強く、「ぶどうの風味がする華やかなスピリッツ」としても「ジーヴァイン・フロレゾン」のほうが飲みやすい上に安いので、ぶっちゃけコスパはそんなよくない。ただ、たぶんこれ売れないし、スピリッツ党なら生産中止・輸入停止になる前に一度飲んでおいてほしい。でもたぶんシルヴァラードみたいにはなれないんだろうなぁ。

50mlのミニチュアボトルでさえ1,000円くらいして「マッカランかよ」って感じなんですが、東京駅の「LIQUIRS HASEGAWA」に売ってるのでバーで新しいウイスキーを試すくらいの感覚で試せます。

「たけーよ、そんなにアフィで儲けたいか」と思った人へ

私は割とウイスキーなど他の酒もいろいろ飲んできた人間なのですが、ブランデーはやっぱり高級品です。

ウイスキーだとたとえばグレンリベット18年、ベイゼルヘイデンなんかはコスパめっちゃいいと思っているのですが、ボトル5,000円前後の価格帯のブランデーでああいうレベルのはありません。

「美味いブランデー」に出逢いたい場合、ボトルで購入するなら10,000円以上、東京のバーで飲むならシングル1,800円以上出さないと魅力や違いがわかりづらく、安物買いの銭失いになりがちです。 要は VSOP ではなく XO 以上を飲みましょうと。

フランスの酒が No.1 だと思っている私などはよく「フランスの酒は高いんだよね~」と言われます。ワインにしても「ニューワールドのワインは既にフランスを超えている」という意見に反対はしません。

ただ、フランスの酒は、味、香り、ボトルのデザイン、品質の安定性などトータルで評価すべきだと思っています。

フラパンやゴデ・アンタークティカなんかはインテリアとしても優秀ですし、今のところヘネシー以外はウイスキー(主にジャパニーズとマッカラン、古くはバーボン)などのように熟成の浅い安物を大量に売り出して信用を落とす気配がありません。

日本や米国の大手メーカー、ニューワールドのワイナリーにはその信頼はありません。私はそういう「フランスへの信頼」の元にお金を使っています。

どこで飲めばいいのか───外食しても珍しいブランデーを飲める店がそもそも少ない問題

経験上、通常のバーにあるのはカクテル用のボトル+αくらいです。カジュアルなバー(カフェ・ダイニング寄り)だと微妙なやつを使ってる可能性もありますが、オーセンティックなバーであればレミーマルタン、クルボアジェ、カミュなどの VSOP クラスは使われていると思います。このへんをそのまま飲ませてもらうのは一つの手段です。

さらに、それなりの価格帯のオーセンティックなバーだと、バーテンダーおすすめの XO クラスが多少あるはずなので、こだわりを聞きながら試すことはできます。シングル価格はだいたい 1,800~3,000 円ほどしますが…。

とはいってもブランデーをずらりと揃えた店というのはなかなか見ません。オーセンティックなバーといえばバックバーにずらりと並んだレアボトル…という光景がイメージされますが、だいたいの場合はウイスキーです。

バーテンダーさんに聞くとだいたい「ウイスキーは好きな人が多いから珍しいボトルを置いとけば反応もされるし、こちらからおすすめするチャンスも多いけどね~、ブランデーは出ないですよね~」などと言われます。なので結局ボトルを自分で買うしかなかったりするのがつらいところ。

ただ、中級者以上の方は確実に一度訪れるべきなのが、「原価BAR」の銀座店(原価バー GINZA)。とんでもないです。これは PR 記事ではないのでほどほどにしておきますが、とんでもなくおすすめです。

入場料 2,500 円を払えば、20~30年もののウイスキーや XO 以上のクラスのブランデーが 1,000 円ちょいで飲めます。銀座でコレはヤバい。語彙力がなくなるレベルでヤバみある。

ウイスキーもなかなかの品揃えなのですが、ブランデーの品揃えがここまで良い店は珍しいです。メニューリストもヘネシーやカミュ、クルボアジェなどを書かずに「ラニョーサボラン」「レイモンラニョー」「テセロン」「デラマン」などが名を連ねています。ジャンフィユートレヴィユー XO が安物みたいに上のほうに載ってます(価格順なので)。

あと東京駅ナカにある「LIQUIRS HASEGAWA」も破格の値段で高級ボトルを「試飲」させていただけるという聖地なのですが、ここが注目されまくって民度低い客(買う気ないのに試飲だけして帰る)が押し寄せるようになることだけは絶対に避けたい、マジでそれだけは避けたいってレベルなので酒飲みだけの秘密にしておきましょうね。

「ブランデー飲んでる自分かっけー」で入ること自体はアリだけど、たぶん長続きしないし、マウンティングできる相手も少ないのであまりおすすめできない

という余談。

ウイスキーに詳しいと会社の上司たちから「話のわかるヤツ」として可愛がられるとかのメリットが、クラフトビールに詳しいと「良い店を知っている」ということでモテる・デートに誘いやすくなるというメリットがあります、みたいな体験談を聞いてみたいんですけど実際どうなんすかね。

しかしブランデーやウオツカにそんなメリットはまずありません。バーテンダーさんやバーに通ってる手練の紳士に「僕ブランデー好きなんですよ~」と言ったところで「いやぁブランデーはそんなわからんなぁハッハッハッ」と苦笑されて会話が途絶えます。

女の子に「良いブランデー置いてる店あるんだよね」と言ったところで「ブランデー? サングリアみたいな感じ? ていうかマニアックすぎてインスタで伸びづらくない?」みたいな反応が返ってくるので口説き文句にはなりえません、という言葉に出典が欲しいので体験談求む。

飲ませようと思ってもなにせ度数が40度。強いお酒飲み慣れてない人だと、40度あると「甘い」よりも「強い」がくるんですよね。「グフッ」ってなってしまう。

しいていえば昨今マーケティングをがんばってる「ヘネシー VS」「クルボアジェ ルージュ」などの安いブランデーをソーダやトニック、果実ジュースで割って楽しく会話しながら飲むというファッショナブルな嗜み方はありますが、正直そんな美味しくないし、コスパも良くないっす。普通にクラフトビールとかの店にいったほうが。銀座にも IBREW とかありますし。

あと、これはウイスキーとかカクテルも同様なのですが、ヘネシー VS やサントリー XO などを適当に割って飲んでるくらいで「俺、ブランデー結構詳しいんだよね~」みたいな感じでドヤってると、いつか恥かかされます。少なくとも私が出逢ったらやんわりとどうにかしたい。

※本記事は某大企業の会長に「閉鎖的だから極力採用しない」と言われた「富山県民」の一人が執筆しています。お察しください。

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記事1本で完結させようとするとなかなか難しいのですが、とりあえず入門記事としてのニーズはそれなりに満たせるのではないかと思います。

結論は

  • フルボトルの購入に10,000円、バーでシングル2,000円出す気概がないならブランデーは向いてない
  • そんな世界だからブランデーブームはたぶん来ない
  • でもヘネシーやサントリーの安いやつを果実で割ったフレッシュカクテルみたいなやつを流行らせようとする商業的ムーブメントは来そう
  • やっぱりこの記事は「ブランデー おすすめ 初心者」とかで2番目に表示されていいんじゃないかと思えるけどどうですか

ということです。

この記事は「ブランデー おすすめ」で検索したら2番目に表示されるべき初心者~中級者向け記事だと思います

ウェッブ屋なのでそう簡単に上位化できるものではないことはよくわかっていますが、もし本記事を読んで応援したくなったという方がいらっしゃったら滞在時間を伸ばしたりリンクをクリックしたりと、ユーザーとして最適な行動を取っていただけると最高にありがたいです。


この世はブランデー初心者に厳しいし、Googleはガチのブログ・メディアに厳しい


かつてはハイボールブーム、モヒートブーム、朝ドラ「マッサン」によるジャパニーズウイスキーブームがありましたが、最近ではクラフトジンブームが到来しており、バー界隈でも「おいおいついにスピリッツの売上まで伸ばしにかかってきたかサントリーとかニッカ(および広告代理店)すげぇな」と話題になっています。

しかし、私が大好きな薬草酒(シャルトリューズ)、ブランデー、ウオツカに関してはまったくの無風で、それはまぁ無駄に高騰しないとかメリットもあるんですけど寂しくもあり。

やっぱりブランデーやウオツカだと、まったくの素人が飛び込むにはハードルが高すぎるんですよね。教えてくれる人も周囲にいない(バーに飛び込んでも、平凡なバーテンダーだとそこまで詳しくない)でしょうし、調べようとしてもなかなか良い記事がない。

インタネッツのサイトでは「ブランデーダディ」さんという良サイトがあるのですが、他にはめぼしいところがありません。

まず、私としてもブランデー関連で検索したときの1位表示はブランデーダディさんに譲りたいというか、あのサイトがトップに来るべきだと思っています

Googleさんにも限界があるのでそういう理想論でゴリ押ししたくはないのですが、最終的には「Googleで上位にある記事を適当に読んでそこらのブランデーを味もわからないまま適当に飲んでSNSでおしゃれな自分アピールして満足する輩は別にそれで幸せなんだからほっとけばよくて、割とストイックに美味しい酒を飲みたいと探求する人と、そんな人に有益な情報を与えられる記事と、その記事に少しでもたどり着きやすくなる導線が増えればいいよね」というところに行き着きます。

医療とかだとそれでいいとはいえないんですけど嗜好品ならまぁ。

色々なブランデーサイトを見ていて、初心者におすすめ!とか書いているサイトを見ると「ヘネシーVSOP」や「レミーマルタンXO」とか「サントリーVO」とか、当たり障りのない全然面白くない事しか書かれていないブランデーweb事情に怒りを覚え(笑)「そんなのよりもっと初心者におすすめのうまいブランデーいっぱいあるわ!!」という心の叫びを世に示さなくては!という謎の使命感に駆られてこの文章を書いています。

引用:http://brandydaddy.com/blog/20160120_beginnerbrandy.html

このエモさですよ。500%同意です。

まぁブランデーダディさんも普通に他のサイトのテキストコピペとかしてる記事あるのでそれはどうなんだみたいな話はあるんですけど、クソ記事を量産してるキュレーションメディアやプロブロガーのうっすいおすすめ記事とかに比べたらブランデーに対する愛を感じるので全然。

味の違いを知るための飲み方───入門としてまず飲むべき銘柄3+1つ

もし初心者の中でも「ブランデーとか飲んだことないわ」ってレベルの場合、まず有名どころかつ特徴がハッキリしている

  • ヘネシー VSOP フィーヌ シャンパーニュ(XO 飲めるなら尚良し)、もしくはフラパン VIP XO
  • ポールジロー 25年(→機会があればぜひ35年も)
  • カミュ XO(試すという意味ではエレガンスでもボルドリでもよさげ)

を試してほしいです。美味しい銘柄は他にありますが、上から順番に「甘い・華やか系」「自然派・穏やか系」「塩気・旨味系」です。

このへんを試してブランデーの味の違いの方向性をなんとなく察したら、次にまとまっているバランス系の銘柄を。美味いのを選ぶとしたら「レイモンラニョー」なのですが、味の傾向を知るという目的であればまずは置いてある店が多い「レミーマルタン」「クルボアジェ」あたりですかね。盲点ですが4本目としては「オタール」とかも悪くはない気が。

飲み方はもちろんストレートです。

ウイスキーは加水することで香りが花開いたりしますが、ブランデーは常温でそのまま飲むものです。冷やしたり水で薄めるものではないため、ロックは相性最悪です。 (だから飲む人増えないんですけどね、フランスらしいこのめんどくささ)

また、「VSOP」「XO」とか変なアルファベットがついてるとこで最初は混乱しがちですが、これは熟成レベル(高級度)を表します。ウイスキーでは「ノンエイジ」「12年」「18年」とかシンプルで、モルトに近いポールジローだけは割とこういう年数表記がポピュラーなんですが、フランスの酒なのでここはオサレな言い方をしておきましょう。

このへんの詳細は俺たちのブランデーダディさんの記事を読めば一発なのですが、投げやり気味に言うと

VS(安物)<VSOP(ちょっと贅沢)<XO(贅沢品)

みたいな感じ。V は「VERY」で X は「EXTRA」で、もちろん EXTRA のほうが格上。中間にもはやアルファベットではない「ナポレオン」があったり、最上位クラスに「オルダージュ」「フロリレージュ」など(かなり贅沢品)があったりややこしいですが、そこもまたフランスの酒なので以下同文。

あと「コニャック=コニャック地方のブランデー。上品」「アルマニャック=アルマニャック地方のブランデー。パワフル」「カルヴァドス=ぶどうではなくりんごを原料にしたブランデー。甘口」というのも一行で紹介しておきますが今回はあまり関係ない話です。

各銘柄について簡単に紹介しますと

ヘネシー

日本人から見たら最もマーケティングに力が入っている有名ブランド。広告費もデザイン費もバンバン使うし添加物・着色料なんかもバンバン使う、とにかくフランスの誇りとしての「甘美で華やかなお酒」を体現しているブランド。個人的には好きです。


(画像出典: https://www.hennessy.com/

VSOP(フィーヌ・シャンパーニュです。プリビレッジのほうは全く別物なので注意)以上なら味は確かにいいんですが、高すぎる上に年々高騰しているのが最大のネック。VSOP が10,000円とかいう狂気の沙汰なのはヘネシーだけ。

モルトでいうならジャパニーズやマッカランみたいなポジション。高騰してるおかげで最近飲んでないんでマッカランみたいに味が落ちてたら教えてください。

フラパン

香水や珈琲も作ってたりする華やか系ブランド。XO のボトルは超かっこいい。

日本でブランデーが不人気&ヘネシーがマーケティング頑張りまくってるせいで不遇な感じがある。ヘネシーよりコスパは良い。今後はヘタしたらヘネシー VSOP とフラパン XO が同価格になりかねないので、それならどう考えてもフラパン飲むわって感じ。ただ置いてある店少ないんだよなぁ。

ポールジロー

コニャック語る上で知らなきゃモグリな自然派 No.1 ブランド。添加物とか一切使わずに純粋に素材の味と製造の腕で勝負してるだけあってとにかく美味い。シングルモルト(特にスペイサイド)が好きな人はすんなり入りやすい。

ただ、華という点では物足りないので、ブランデーならではという感じに欠けるのがネック。正直、ポールジロー35年飲むならモルトでいいんじゃないか説がある。ただ私のように「アイラ系は好きになれんけど、スペイサイド飲んでるくらいならブランデーいくわ」とモルト沼を抜けた人もいるように、このあたりがツボだといろいろ難しい気がする。

カミュ

特に VSOP だと塩気があってドライな味わい。シャープな仕上げにしたいときのカクテルベースとしても優秀だったりする。ちょっとクセのあるブランデーの入門としてはお店でも体験しやすい。XOだと当然熟成年数が長い分まろやかになるわけですが、どっしり華やか系統のコニャックに比べればクセは感じるはず。

ブランデーって感じがしないわけではないがちょっと独特です。モルトでいうスプリングバンク的な立ち位置。でもエドラダワーほどイロモノではない。ワインではシャブリ好きって方とかなら割と相性いいんじゃないか感がある。

レイモンラニョー

ポールジローと同様、自然派な製法にこだわっている。味わいはジローちゃんより華があり、味・香り・後味のバランスがとても良い。レモンハートのマスターなら「シャイな味わい」と評するんじゃないかってことで、モルトでいえばグレンリベット。

ただ日本では無名。バーでは「レミーマルタン」に、“バックバーの奥から出してくるボトル”としても「マーテル コルドンブルー」とかにポジションを奪われている感がある。コルドンブルーはもうちょいどっしりしてて甘味もあるので、もうちょい「わかりやすい」んですよね。んでヘネシーほど鼻につく感じではなく。

個人的に特に美味いと思うおすすめ銘柄───他の酒ならよく飲む人、初心者~中級者向け

おすすめのブランデーといっても「誰に」によってまぁ変わってくるので、属性にわけて紹介していきます。

まぁブランデーに手を出す人っていきなりブランデーにいくというよりはモルトやワイン、和酒をある程度飲んでいる感じだと思うので、他の酒からの浮気を想定したほうがいいのかなと。

甘い、華やかなのが好きな人

前述のフラパン XO。飲み干した後味、フィニッシュも長く、優雅な余韻が残ります。

あとは甘さ特化ではないけど、上でもちらっとふれた「マーテル コルドンブルー」とかですかねぇ。置いてる店多い印象あるし、ハズレだと感じる人は少ない気がするし、なんやかんやで偉大。モルトでいうシーバス感がある(日本人の好みに合う的な)。

個人的には、甘いのを突き詰めていくとカルヴァドス(一応ブランデーですが、ぶどうではなくりんごを原料にしているやつ)にいくのもありかなと思います。シャトー・ド・ブルイユとかデュポンとかは、フルーティーかつリキュールとか果実酒より度数しっかりしてるから甘ったるくなくて美味しい。

モルト好きなら

ポール ジロー トレ ラール 35年

無難とはいえやっぱりポールジローの35年になるんだろうなぁと。

25年(エクストラ・ヴィユー)まではフルーティなのでモルト好きにはむしろ合わない気がしますが、35年(トレラール)、50年(ヘリテージ)になると枯れた風味も出てくるのでモルト好きの舌には合うはず。

あとはモルトでいうボトラーズものみたいな感じで、ポールジロー最古のビンテージをブレンドした「キュベ・トレゾール・ド・パラディ」とかもいってみるとハマるかも。以前飲みましたが、とても上品な熟成感が印象に残っています。華やかではなく、ただひたすら「静か」で、そういう静けさが心地よい…と感じるタイプの方なら合うはず。なお私は合いませんでした(シャルトリューズとか好きなので…)。

日本酒とかベルギービールが好きな人向け

ドゥピュイ 1971年 ボルドリー 700ml×1本 / DUPUY 1971 VINTAGE COGNAC BORDERIES

たぶん好みが分かれるタイプのブランデーなのですが、「ドゥピュイ 1971年」は個人的にはおすすめ。

カミュの塩気を強化したような印象もあり、長期熟成でさっぱりしつつフレッシュさすらある至極品。テセロン LOT53(割と高級品)の後に飲んだのですが、完全に喰ってました。

カミュ VSOP とかだとスパイシーさ&ドライさを楽しむ・カクテルで利用するみたいになってますが、これはまるで新鮮な魚介類のような「旨味」をしっかり感じられます。香りよりは味わい特化型。

また、ヘネシーやフラパンのような後味がしっかり華やかに残るという感じとは対照的に、こちらは長期熟成品とは思えないほどすっきりしたフィニッシュ。軽快に飲み干せます(もったいないけど)。

個人的に一番好きなので紹介するけど、ワイン好きとかには良さそう

ラニョーサボラン フロリレージュ 700ml×1本

圧倒的な存在感、「ラニョーサボラン フロリレージュ」。

高級ワインならともかく、ウイスキーやクラフトジン飲んで「香りが華やかなんだよね~」とか言ってしまうようになった昨今の風潮に違和感を覚える方はぜひ。「華やかってのはこういうことなんだよ」と言わんばかりの、本場・フランスの本気を味わえます。

2万クラスのボトルとしては味はそこまで芸術的ではないんですが、香りだけで値段の価値はある。前述の「ドゥピュイ 1971」とは対照的です。

シャルトリューズが「飲む香水」と呼ばれますが、シャルトリューズ大好き人間からしてもその異名はこの酒のほうが似合う。

特段「こういう系統のが飲みたい」という指定がないとき

レイモンラニョー エクストラ ヴィユー 42度 700ml

前述の「レイモンラニョー」という銘柄。もっと評価されるべきだと思っている。

とにかくハイレベルでまとまっているなぁと。フィニッシュが長い割にはくどさ、枯れっぷりがないやさしい世界なので飽きずに飲めると思います。

できればオルダージュ(ボトルを自分で買うと2万弱)が良いと思いますが、予算抑えて試すならエクストラヴィユー(1万弱)。

次点でポールジローの25年ですかね。個人的には35より好きです。コスパもよし。

ジンやウオツカが好きな人はぜひ


冷凍して飲む無色透明なホワイトブランデー「ゴデ・アンタークティカ」。

フランスの頭おかしい(褒め言葉)ところがいかんなく発揮された一品。さすがジンもウオツカもぶどうで作ってしまう(ジーヴァインとシロック、大好きなんですけども)国だ。

熟成浅くて荒々しさというか鼻につく感じが強く、「ぶどうの風味がする華やかなスピリッツ」としても「ジーヴァイン・フロレゾン」のほうが飲みやすい上に安いので、ぶっちゃけコスパはそんなよくない。ただ、たぶんこれ売れないし、スピリッツ党なら生産中止・輸入停止になる前に一度飲んでおいてほしい。でもたぶんシルヴァラードみたいにはなれないんだろうなぁ。

50mlのミニチュアボトルでさえ1,000円くらいして「マッカランかよ」って感じなんですが、東京駅の「LIQUIRS HASEGAWA」に売ってるのでバーで新しいウイスキーを試すくらいの感覚で試せます。

「たけーよ、そんなにアフィで儲けたいか」と思った人へ

私は割とウイスキーなど他の酒もいろいろ飲んできた人間なのですが、ブランデーはやっぱり高級品です。

ウイスキーだとたとえばグレンリベット18年、ベイゼルヘイデンなんかはコスパめっちゃいいと思っているのですが、ボトル5,000円前後の価格帯のブランデーでああいうレベルのはありません。

「美味いブランデー」に出逢いたい場合、ボトルで購入するなら10,000円以上、東京のバーで飲むならシングル1,800円以上出さないと魅力や違いがわかりづらく、安物買いの銭失いになりがちです。 要は VSOP ではなく XO 以上を飲みましょうと。

フランスの酒が No.1 だと思っている私などはよく「フランスの酒は高いんだよね~」と言われます。ワインにしても「ニューワールドのワインは既にフランスを超えている」という意見に反対はしません。

ただ、フランスの酒は、味、香り、ボトルのデザイン、品質の安定性などトータルで評価すべきだと思っています。

フラパンやゴデ・アンタークティカなんかはインテリアとしても優秀ですし、今のところヘネシー以外はウイスキー(主にジャパニーズとマッカラン、古くはバーボン)などのように熟成の浅い安物を大量に売り出して信用を落とす気配がありません。

日本や米国の大手メーカー、ニューワールドのワイナリーにはその信頼はありません。私はそういう「フランスへの信頼」の元にお金を使っています。

どこで飲めばいいのか───外食しても珍しいブランデーを飲める店がそもそも少ない問題

経験上、通常のバーにあるのはカクテル用のボトル+αくらいです。カジュアルなバー(カフェ・ダイニング寄り)だと微妙なやつを使ってる可能性もありますが、オーセンティックなバーであればレミーマルタン、クルボアジェ、カミュなどの VSOP クラスは使われていると思います。このへんをそのまま飲ませてもらうのは一つの手段です。

さらに、それなりの価格帯のオーセンティックなバーだと、バーテンダーおすすめの XO クラスが多少あるはずなので、こだわりを聞きながら試すことはできます。シングル価格はだいたい 1,800~3,000 円ほどしますが…。

とはいってもブランデーをずらりと揃えた店というのはなかなか見ません。オーセンティックなバーといえばバックバーにずらりと並んだレアボトル…という光景がイメージされますが、だいたいの場合はウイスキーです。

バーテンダーさんに聞くとだいたい「ウイスキーは好きな人が多いから珍しいボトルを置いとけば反応もされるし、こちらからおすすめするチャンスも多いけどね~、ブランデーは出ないですよね~」などと言われます。なので結局ボトルを自分で買うしかなかったりするのがつらいところ。

ただ、中級者以上の方は確実に一度訪れるべきなのが、「原価BAR」の銀座店(原価バー GINZA)。とんでもないです。これは PR 記事ではないのでほどほどにしておきますが、とんでもなくおすすめです。

入場料 2,500 円を払えば、20~30年もののウイスキーや XO 以上のクラスのブランデーが 1,000 円ちょいで飲めます。銀座でコレはヤバい。語彙力がなくなるレベルでヤバみある。

ウイスキーもなかなかの品揃えなのですが、ブランデーの品揃えがここまで良い店は珍しいです。メニューリストもヘネシーやカミュ、クルボアジェなどを書かずに「ラニョーサボラン」「レイモンラニョー」「テセロン」「デラマン」などが名を連ねています。ジャンフィユートレヴィユー XO が安物みたいに上のほうに載ってます(価格順なので)。

あと東京駅ナカにある「LIQUIRS HASEGAWA」も破格の値段で高級ボトルを「試飲」させていただけるという聖地なのですが、ここが注目されまくって民度低い客(買う気ないのに試飲だけして帰る)が押し寄せるようになることだけは絶対に避けたい、マジでそれだけは避けたいってレベルなので酒飲みだけの秘密にしておきましょうね。

「ブランデー飲んでる自分かっけー」で入ること自体はアリだけど、たぶん長続きしないし、マウンティングできる相手も少ないのであまりおすすめできない

という余談。

ウイスキーに詳しいと会社の上司たちから「話のわかるヤツ」として可愛がられるとかのメリットが、クラフトビールに詳しいと「良い店を知っている」ということでモテる・デートに誘いやすくなるというメリットがあります、みたいな体験談を聞いてみたいんですけど実際どうなんすかね。

しかしブランデーやウオツカにそんなメリットはまずありません。バーテンダーさんやバーに通ってる手練の紳士に「僕ブランデー好きなんですよ~」と言ったところで「いやぁブランデーはそんなわからんなぁハッハッハッ」と苦笑されて会話が途絶えます。

女の子に「良いブランデー置いてる店あるんだよね」と言ったところで「ブランデー? サングリアみたいな感じ? ていうかマニアックすぎてインスタで伸びづらくない?」みたいな反応が返ってくるので口説き文句にはなりえません、という言葉に出典が欲しいので体験談求む。

飲ませようと思ってもなにせ度数が40度。強いお酒飲み慣れてない人だと、40度あると「甘い」よりも「強い」がくるんですよね。「グフッ」ってなってしまう。

しいていえば昨今マーケティングをがんばってる「ヘネシー VS」「クルボアジェ ルージュ」などの安いブランデーをソーダやトニック、果実ジュースで割って楽しく会話しながら飲むというファッショナブルな嗜み方はありますが、正直そんな美味しくないし、コスパも良くないっす。普通にクラフトビールとかの店にいったほうが。銀座にも IBREW とかありますし。

あと、これはウイスキーとかカクテルも同様なのですが、ヘネシー VS やサントリー XO などを適当に割って飲んでるくらいで「俺、ブランデー結構詳しいんだよね~」みたいな感じでドヤってると、いつか恥かかされます。少なくとも私が出逢ったらやんわりとどうにかしたい。

※本記事は某大企業の会長に「閉鎖的だから極力採用しない」と言われた「富山県民」の一人が執筆しています。お察しください。

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記事1本で完結させようとするとなかなか難しいのですが、とりあえず入門記事としてのニーズはそれなりに満たせるのではないかと思います。

結論は

  • フルボトルの購入に10,000円、バーでシングル2,000円出す気概がないならブランデーは向いてない
  • そんな世界だからブランデーブームはたぶん来ない
  • でもヘネシーやサントリーの安いやつを果実で割ったフレッシュカクテルみたいなやつを流行らせようとする商業的ムーブメントは来そう
  • やっぱりこの記事は「ブランデー おすすめ 初心者」とかで2番目に表示されていいんじゃないかと思えるけどどうですか

ということです。