- 「広報」や「編集」の概念を常時アップデートしていく感じで -


NFL クラスタ以外にアメフトの話題を持ち出すにはアイシルを引っ張り出すしかないという状況が NE の天下ばりに続いてるのもどうかとは思うのですが、NE 弱体化と新しいアメフト漫画のヒットどっちが先かという感じですからね。

--

あえて DIGITAL 版を貼って 2014 年の漫画みたいに見せかけてますけど、もう 15 年以上前ですからね。いつ読み返してもいい漫画です。

いくらいい漫画だからといって必要以上にこじつけるのは NFL ガチ勢の方々のお気持ちを察しろという話もありますが、わたしもカープファンとしてプロカープ女子がよくわからんメディア露出をしてるアレを憂鬱症のペンギンのような目で見てましたのでよくわかります。ただまぁアレよりは真面目にやるので、きっかけと思ってよろしくお願いします。

まず、スーパーボウル進出権を争った 2018 年 NFL プレーオフから振り返り

視聴者数は 1 億人以上、全米が注目するスーパーボウルは、AFC と NFC という二つのリーグの代表チームの戦いを指します(やきうのセとパみたいな感じ)。4 地区制のレギュラーシーズンが終わったらすぐに上位の 6 チームでプレーオフを開催し(地区優勝は通過点なので日本のやきうほど名誉ではない)、勝者をリーグの代表チームとして選ぶのです。

2018 年の SB 52 (ソフトバンクの川崎宗則のことではない。第 52 回スーパーボウルの略称)出場チームは、両者ともにプレーオフでまさに死闘といえる試合を制して勝ち上がってきました。


ペイトリオッツ vs ジャガーズ (AFC 代表決定戦)

白&黒のジャージ・ジャガーズは久々のプレーオフ登場。こっちはとにかく “強い” 守備陣を擁するチーム。相手の壁をぶち破って QB を潰しにいく “サック” をガンガン決めていく攻撃的な守備陣が最大の武器です。攻撃陣がちょっと不安定なところが痛く、どちらかといえば守り勝つチーム…と思われていましたが、準決勝では 42 得点を奪って見事に殴り勝ちました。

紺&白のジャージ・ペイトリオッツは、9 年連続で地区優勝しているという常勝軍団です。とにかく規律を重んじるチームなので、アイシールド 21 でいえば王城ホワイトナイツなのですが、プレースタイルは真逆。生ける伝説といえる超一流司令塔の号令のもと、圧倒的な攻撃力でガンガン前進します。準決勝のタイタンズ戦では相手に付け入る隙を全く与えず、「この攻撃陣をどうやったら止められるかわからん」などと 31 チームのファンを絶望させました。

この 2 チームが代表の座を争った試合は、最終決戦にふさわしい漫画のような死闘となりました。試合の様子は NFL 公式のハイライトから。

https://www.youtube.com/watch?v=q8w4pbAkkGc

イーグルス vs ファルコンズ(NFC プレーオフ準決勝)

白&赤のジャージ・ファルコンズは、昨年の NFC 代表にしてスーパーボウルでペイトリオッツに劇的な逆転負けを喫したチーム。昨季は NFL 最強の攻撃力で殴り勝つ若いチームで、まさにアイシールド 21 の泥門デビルバッツのようでしたが、今季は 180 度変わってロースコアで守り勝つ渋いチームに。そしてプレーオフ初戦のラムズ戦では眠っていた攻撃陣が調子を上げてきたことで、一気に「主人公チームがリベンジを果たしに戻ってくるのでは…?」という空気に。

緑のジャージ・イーグルスはここ 2 年低迷していましたが、今季は開幕から快進撃。レギュラーシーズンを NFC 1 位で終えたため、準決勝からの登場となりました。NFL を代表するようなスーパースターは不在ですが、穴らしい穴がなく、高いレベルで安定しています。ただ、2 年目の若き司令塔・ウェンツがシーズン終盤に膝を故障し、今季絶望となったことがプレーオフでどう響くか…という点に注目が集まっていました。

NFC のプレーオフは少年漫画のような展開になった試合が多く、ほぼ全試合が素晴らしいのですが、スーパーボウル進出チームに絞るとやっぱりこの試合。野球でいえば「1 点差で迎えた 9 回表 2 アウト満塁の場面、打席には四番打者でフルカウント」まで行きました。

激戦の様子は NFL 公式のハイライトから。

https://www.youtube.com/watch?v=z05WIkCvgjU

「まさに鬼神!これが地区9連覇!神龍寺ナーガ!」なペイトリオッツの注目選手

AFC 代表は劇的な逆転勝利というか横綱相撲を決め(やがっ)たニューイングランド・ペイトリオッツ(略称・NE)。2 年連続のスーパーボウル出場です。

昨季は強引にこじつけるために王城扱いしましたが、どちらかといえば神龍寺です。特に今季はリアル阿含といえる選手が戻ってきたので、心置きなく神龍寺扱いさせていただきます。

“冷静沈着な司令塔” トム・ブレイディ(QB)

生けるレジェンド。チームの絶対的司令塔です。冷静沈着。正確無比。変幻自在。なんかもうそんな感じのチート。

とはいえ実はエリートではないという話はあまりにも有名。ドラフトは下位指名で、血の滲むような努力で現在の地位を築き上げました。NE ファンじゃないから知らんけど。

そんなわけで NFL ファンからすれば雲水に見えなくもない。実力的には超一流なんですけど。

“人類最強” ロブ・グロンコウスキー(TE)

そう、今年は最注目選手としてリアル阿含がいるんです。昨季はケガによってプレーオフは出場していませんでしたが、ペイトリオッツの攻撃陣はこの人を抜きに語れない。

ランプレーでは走る味方を援護するためのブロックもこなし、パスプレーでは密集地帯で相手と競り合いながらパスをキャッチする “タイトエンド” という重要なポジションです。

高さ・レスポンス・突破力・キャッチ技術すべてを兼ね備えた、神に愛されし「10 年に 1 人の天才」。何人マークがついていようがお構いなしにこの人にパスを投げる “戦術・グロンコウスキー” と呼ばれる攻撃は、スラムダンクで河田兄が本気出したときくらいの絶望感を与えてくれます(あんなに対策したのに…!)。

女性関係に夜遊びとプライベートでも大暴れしてきましたし、ペイトリオッツが常勝軍団になった理由を聞かれて半笑いで「俺が加入したからじゃない?」と答える性格も阿含に近いかもしれません。 GQJAPAN に掲載された下記記事もぜひご覧ください。

夏だから、おバカに弾けようか!NFLイチの人気男、その名は“グロンク”

“空中戦の達人” バトラー&ギルモア(CB)

神龍寺の守備陣といえば、相手のパス攻撃を防ぐ “空中戦の達人”・細川一休がいますね。

ペイトリオッツのレギュラー CB は上記の二名ですが、「足して 2 で割ったら一休」くらいのこじつけが限界です。まずジャガーズの CB コンビのほうが空中戦最強だったもんな。

「No.1 は、“絶対に負けない” から No.1 なんすよ。俺は今、自分が許せない」というメンタルはバトラー、恵まれたフィジカルを持つ天才 CB としてエリート街道を歩んできた経歴でいえばギルモアという感じ。

ギルモアは今季からの加入で、レギュラーシーズンでは期待ハズレの烙印を押されたりもしていましたが、プレーオフの勝負どころでは素晴らしいプレーを見せてくれました。決勝戦の勝利を決定づけたのも実質ギルモアのパスカットでした。


--

“フィールドをねじ伏せろ” ディオン・ルイス(RB)

ペイトリオッツの攻撃が「止めようがねぇ」と称されるのは、パスだけでなくラン攻撃もきっちり決めてくるところにあります。

ルイスは 173cm と、大男がひしめく NFL においてはかなりの小兵。しかしスピードと思い切りの良さが強力な武器であり、「これはパスではない、ランだ」と気づいたときには既にぶち抜かれています(切符買っとけよ。明日帰るんだろ?)。

不動のレギュラーとかスター選手とかいうほどの実績はありませんが、スーパーボウルのフィールドに立つ選手の中で最も “アイシールド 21” に近い選手はこのルイスといえるでしょう。意外とパワーもあったりレシーブもうまかったりと、一芸特化ではなく器用な選手なんですが。

「ウチに天才はいない。だがウチが最強だ!」なイーグルスの注目選手

神龍寺ペイトリオッツへのリベンジに燃えるファルコンズの反撃を紙一重のところで退け、決勝では NFL 最強の守備力を誇るバイキングスを粉砕してスーパーボウル出場を決めたフィラデルフィア・イーグルス(略称・PHI)。

こじつけるどころか諦めてスラムダンクになってしまいましたが、そんな感じです。一流選手を表彰する「NFL TOP 100」を見ても、昨季は上位に挙げられた選手がいませんでした。しかし今季は NFC トップの成績を残したのです。

チーム全体としてアイシールド 21 に強引にこじつけるのが難しいのですが、「神龍寺ナーガを倒すために集まった関東選抜」みたいな感じで考えるといいんですかねぇ。

“頂点への挑戦” ジェイ・アジャイ(RB)

若き司令塔の故障によってパス攻撃が弱体化したイーグルスにとっては、ラン攻撃が生命線になります。そのラン攻撃を牽引するのがアジャイです。

身長 183 cm / 体重 104 kg と、スピードが求められる RB としては重量級。そのため、アイシールド 21 こと小早川セナというよりは、倒れないことを売りにしている帝黒アレキサンダーズの大和猛、ロデオドライブで相手をかわす西部ワイルドガンマンズの甲斐谷陸のほうが近い。ただ、まだ 24 歳の若手で調子の波が激しく、一流ではあるものの超一流という評価までは受けていません。

重要なのは、アジャイがシーズン途中に電撃トレードで加入したということ。チームとしては本気でスーパーボウルを狙うという意味の補強であり、アジャイは “優勝請負人”・“最後のピース” として主人公待遇で加入したわけです。古巣でコーチと揉めたから放出されたみたいな話はまぁ置いといて。

“60ヤードマグナム” ジェイク・エリオット(K)

アメフトはロースコアのゲームになるとキッカーの実力で流れが大きく変わります。キッカーの射程距離が長いと、守備陣には「これ以上進まれたら、少なくともキックでの 3 失点は確定」というプレッシャーがかかるわけです。

エリオットは新人選手ですが、リアルに存在する “60ヤードマグナム” です。

新人キッカーのジェイク・エリオット(22歳)が残り51秒に46ヤードの同点FGを決め、終了直前にはコーチ陣に「蹴るチャンスをください」と直訴して、61ヤードのロングFGを成功させた。

参考:新人キッカーが61ヤードのFGを決めてイーグルスが勝利 劇的な幕切れ

プレーオフ初戦では「20 ヤードちょいの短い FG を外し、 60 ヤード弱の長距離 FG を決める」という荒れ球っぷりを見せてくれたので、そのへんもムサシに近いですね。

“そびえ立つ壁” フレッチャー・コックス(DT)

イーグルスは守備のチームですが、特に “フロントセブン” と言われる前衛の選手が強力。相手の RB が走り抜ける隙間を与えないことで、攻撃の芽を確実に潰すことができます。

今季、相手のラン攻撃に対する守備の成績は NFL トップということで、とにかく “押し負けない”。そんな強力なラインの中央を固めるのがコックスです。

アイシールド 21 でいえば栗田とか番場とかあのへん。

“QB 絶対潰すマン” ブランドン・グラハム(DE)

守備ラインの端(エッジ)に位置する選手は “パスラッシャー”・“エッジラッシャー” などと呼ばれ、相手のパス攻撃のときに QB を潰すため猛然とラッシュをかける能力が重視されます。DT は縁の下の力持ちという感じですが、DE は花形ポジションで、活躍してカメラに抜かれるシーンは多いです(※フォーメーションによっては役割が大きく変わるのですがそのへんは割愛)。

アイシールド 21 では「相手の QB を病院送りにして勝つ」という白秋ダイナソーズの要・峨王力哉が(DT ですが)最強のラッシャーとして描かれていました。

グラハムは今季サック数の自己記録を更新し、チーム内でもぶっちぎりのトップです。リアル峨王といえる選手は他チームにいるのですが、今回は強引にこじつける企画ということでとりあえず “ミニ峨王” くらいの感じで。


初心者でもこれだけは押さえておきたいアメフトのルールをおさらい

漫画やアニメ観てたの昔すぎて覚えてねぇよって方は一度おさらいしてみましょう。

基本的には陣取り合戦で、攻撃側はひたすら前に進むことを目指します。守備陣は押し込まれないように相手を後退させるほど、次の攻撃ターンが有利になります(が、攻撃的な守備をするほど後ろを取られるリスクも増します)。

  • 攻撃側は、4 回プレーしてある程度前に進めなかったら攻撃終了です
  • 1 回ごとに細かくプレーが区切られます(よくテンポが悪いといわれますが、時計との戦いという意味があるので、慣れてくると駆け引きとして楽しめるようになります)
  • ある程度前に進めたら、攻撃回数がリセットされて次がまた「1 回目」になります(ファーストダウン獲得)
  • 相手のゴールまでボールを持って突入すれば 6 点が入ります(タッチダウン)
  • タッチダウンしたら、ボーナスゲームができます(結果によって 0~2 点が入ります)

というのが基本で、あとはもうちょいつっこむと

  • 4 回目の攻撃が失敗するとその地点で攻守交代して不利になるので、たいてい 4 回目は「キック」です
  • 通常の「パントキック」は「陣地の回復(次の守備を有利に進めること)」が目的です
  • 相手のゴール前まで進んでいた場合に行なう「フィールドゴール」は、言ってみれば「妥協した終わり方」で、成功すれば 3 点が入ります
  • 基本的には 6 点+ 0~2 点を目指しつつ、失敗してもできれば 3 点は取りたい、という感じです。
  • そんなわけで、攻撃側はとりあえずフィールドゴールが蹴れる位置までは進みたいところです

といった面もあるので、キッカーにムサシがいる今年は特にゴール前だけでなく “FG 確定エリア前” での駆け引きも見どころです。

「フォーメーション」、「時計との戦い」や「反則」まで一気に覚えようとするといろいろ複雑になるので、基本的なルールを覚えてから手を出すことをおすすめします。

あとはまぁコミックスを読み返したりもするのが一番わかりやすいと思います。

--

個人的にはやっぱりクリフォードが好きです。クリフォードが好きな人がおられましたら来季からはシアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソンあるいはヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソンを応援しましょう。

カード捌きってのはな、『あのカードを出すかもしれねぇ』って思わせたらその時点で勝ちなんだよ、青二才

この教えはペイトリオッツの “戦術・グロンコウスキー” を観るとよくわかりますね。グロンクを警戒してたらルイスとかホーガンとかアメンドラにボコボコに殴られる感じ。

今季の見どころと放送予定

今季はレギュラーシーズンこそ大波乱でしたが、NFL の 31 チームのファンからすると、「今年も神龍寺か…(諦め)」「波乱は…無しだ」という感じでプレーオフが終了したわけです。

とはいえジャガーズはあと一歩のところまでペイトリオッツを追い詰めたわけで、同じ守備型のイーグルスとしては参考になったのではないでしょうか。まぁ相手からしても同じなんですけど。

ということで、見どころとしては「10 年に 1 人の天才(それも 1 人じゃない、2 人だ…)率いる最強・神龍寺に挑む凡才たち」という画で捉えるのが一番いいんじゃないすかね。イーグルスファンにはちょっと失礼かもしれませんけどネームバリューと実績的な意味でね。

なお放送時間は日本時間 2018 年 2 月 5 日(月)8:00~。

視聴手段は NHK-BS, DAZN, GamePass。

ほんま試される大地・Japan なんですよねー。日付変わって 6 日の 0:50 から再放送ありますし、恵比寿のどっかの飲食店では夕方から追っかけ再生でパブリックビューイングやるらしいですけど。

今年もスーパーボウルの注目選手や見どころを #アイシールド21 に強引にこじつける季節がやってまいりました(2018 年版)


NFL クラスタ以外にアメフトの話題を持ち出すにはアイシルを引っ張り出すしかないという状況が NE の天下ばりに続いてるのもどうかとは思うのですが、NE 弱体化と新しいアメフト漫画のヒットどっちが先かという感じですからね。

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あえて DIGITAL 版を貼って 2014 年の漫画みたいに見せかけてますけど、もう 15 年以上前ですからね。いつ読み返してもいい漫画です。

いくらいい漫画だからといって必要以上にこじつけるのは NFL ガチ勢の方々のお気持ちを察しろという話もありますが、わたしもカープファンとしてプロカープ女子がよくわからんメディア露出をしてるアレを憂鬱症のペンギンのような目で見てましたのでよくわかります。ただまぁアレよりは真面目にやるので、きっかけと思ってよろしくお願いします。

まず、スーパーボウル進出権を争った 2018 年 NFL プレーオフから振り返り

視聴者数は 1 億人以上、全米が注目するスーパーボウルは、AFC と NFC という二つのリーグの代表チームの戦いを指します(やきうのセとパみたいな感じ)。4 地区制のレギュラーシーズンが終わったらすぐに上位の 6 チームでプレーオフを開催し(地区優勝は通過点なので日本のやきうほど名誉ではない)、勝者をリーグの代表チームとして選ぶのです。

2018 年の SB 52 (ソフトバンクの川崎宗則のことではない。第 52 回スーパーボウルの略称)出場チームは、両者ともにプレーオフでまさに死闘といえる試合を制して勝ち上がってきました。


ペイトリオッツ vs ジャガーズ (AFC 代表決定戦)

白&黒のジャージ・ジャガーズは久々のプレーオフ登場。こっちはとにかく “強い” 守備陣を擁するチーム。相手の壁をぶち破って QB を潰しにいく “サック” をガンガン決めていく攻撃的な守備陣が最大の武器です。攻撃陣がちょっと不安定なところが痛く、どちらかといえば守り勝つチーム…と思われていましたが、準決勝では 42 得点を奪って見事に殴り勝ちました。

紺&白のジャージ・ペイトリオッツは、9 年連続で地区優勝しているという常勝軍団です。とにかく規律を重んじるチームなので、アイシールド 21 でいえば王城ホワイトナイツなのですが、プレースタイルは真逆。生ける伝説といえる超一流司令塔の号令のもと、圧倒的な攻撃力でガンガン前進します。準決勝のタイタンズ戦では相手に付け入る隙を全く与えず、「この攻撃陣をどうやったら止められるかわからん」などと 31 チームのファンを絶望させました。

この 2 チームが代表の座を争った試合は、最終決戦にふさわしい漫画のような死闘となりました。試合の様子は NFL 公式のハイライトから。

https://www.youtube.com/watch?v=q8w4pbAkkGc

イーグルス vs ファルコンズ(NFC プレーオフ準決勝)

白&赤のジャージ・ファルコンズは、昨年の NFC 代表にしてスーパーボウルでペイトリオッツに劇的な逆転負けを喫したチーム。昨季は NFL 最強の攻撃力で殴り勝つ若いチームで、まさにアイシールド 21 の泥門デビルバッツのようでしたが、今季は 180 度変わってロースコアで守り勝つ渋いチームに。そしてプレーオフ初戦のラムズ戦では眠っていた攻撃陣が調子を上げてきたことで、一気に「主人公チームがリベンジを果たしに戻ってくるのでは…?」という空気に。

緑のジャージ・イーグルスはここ 2 年低迷していましたが、今季は開幕から快進撃。レギュラーシーズンを NFC 1 位で終えたため、準決勝からの登場となりました。NFL を代表するようなスーパースターは不在ですが、穴らしい穴がなく、高いレベルで安定しています。ただ、2 年目の若き司令塔・ウェンツがシーズン終盤に膝を故障し、今季絶望となったことがプレーオフでどう響くか…という点に注目が集まっていました。

NFC のプレーオフは少年漫画のような展開になった試合が多く、ほぼ全試合が素晴らしいのですが、スーパーボウル進出チームに絞るとやっぱりこの試合。野球でいえば「1 点差で迎えた 9 回表 2 アウト満塁の場面、打席には四番打者でフルカウント」まで行きました。

激戦の様子は NFL 公式のハイライトから。

https://www.youtube.com/watch?v=z05WIkCvgjU

「まさに鬼神!これが地区9連覇!神龍寺ナーガ!」なペイトリオッツの注目選手

AFC 代表は劇的な逆転勝利というか横綱相撲を決め(やがっ)たニューイングランド・ペイトリオッツ(略称・NE)。2 年連続のスーパーボウル出場です。

昨季は強引にこじつけるために王城扱いしましたが、どちらかといえば神龍寺です。特に今季はリアル阿含といえる選手が戻ってきたので、心置きなく神龍寺扱いさせていただきます。

“冷静沈着な司令塔” トム・ブレイディ(QB)

生けるレジェンド。チームの絶対的司令塔です。冷静沈着。正確無比。変幻自在。なんかもうそんな感じのチート。

とはいえ実はエリートではないという話はあまりにも有名。ドラフトは下位指名で、血の滲むような努力で現在の地位を築き上げました。NE ファンじゃないから知らんけど。

そんなわけで NFL ファンからすれば雲水に見えなくもない。実力的には超一流なんですけど。

“人類最強” ロブ・グロンコウスキー(TE)

そう、今年は最注目選手としてリアル阿含がいるんです。昨季はケガによってプレーオフは出場していませんでしたが、ペイトリオッツの攻撃陣はこの人を抜きに語れない。

ランプレーでは走る味方を援護するためのブロックもこなし、パスプレーでは密集地帯で相手と競り合いながらパスをキャッチする “タイトエンド” という重要なポジションです。

高さ・レスポンス・突破力・キャッチ技術すべてを兼ね備えた、神に愛されし「10 年に 1 人の天才」。何人マークがついていようがお構いなしにこの人にパスを投げる “戦術・グロンコウスキー” と呼ばれる攻撃は、スラムダンクで河田兄が本気出したときくらいの絶望感を与えてくれます(あんなに対策したのに…!)。

女性関係に夜遊びとプライベートでも大暴れしてきましたし、ペイトリオッツが常勝軍団になった理由を聞かれて半笑いで「俺が加入したからじゃない?」と答える性格も阿含に近いかもしれません。 GQJAPAN に掲載された下記記事もぜひご覧ください。

夏だから、おバカに弾けようか!NFLイチの人気男、その名は“グロンク”

“空中戦の達人” バトラー&ギルモア(CB)

神龍寺の守備陣といえば、相手のパス攻撃を防ぐ “空中戦の達人”・細川一休がいますね。

ペイトリオッツのレギュラー CB は上記の二名ですが、「足して 2 で割ったら一休」くらいのこじつけが限界です。まずジャガーズの CB コンビのほうが空中戦最強だったもんな。

「No.1 は、“絶対に負けない” から No.1 なんすよ。俺は今、自分が許せない」というメンタルはバトラー、恵まれたフィジカルを持つ天才 CB としてエリート街道を歩んできた経歴でいえばギルモアという感じ。

ギルモアは今季からの加入で、レギュラーシーズンでは期待ハズレの烙印を押されたりもしていましたが、プレーオフの勝負どころでは素晴らしいプレーを見せてくれました。決勝戦の勝利を決定づけたのも実質ギルモアのパスカットでした。


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“フィールドをねじ伏せろ” ディオン・ルイス(RB)

ペイトリオッツの攻撃が「止めようがねぇ」と称されるのは、パスだけでなくラン攻撃もきっちり決めてくるところにあります。

ルイスは 173cm と、大男がひしめく NFL においてはかなりの小兵。しかしスピードと思い切りの良さが強力な武器であり、「これはパスではない、ランだ」と気づいたときには既にぶち抜かれています(切符買っとけよ。明日帰るんだろ?)。

不動のレギュラーとかスター選手とかいうほどの実績はありませんが、スーパーボウルのフィールドに立つ選手の中で最も “アイシールド 21” に近い選手はこのルイスといえるでしょう。意外とパワーもあったりレシーブもうまかったりと、一芸特化ではなく器用な選手なんですが。

「ウチに天才はいない。だがウチが最強だ!」なイーグルスの注目選手

神龍寺ペイトリオッツへのリベンジに燃えるファルコンズの反撃を紙一重のところで退け、決勝では NFL 最強の守備力を誇るバイキングスを粉砕してスーパーボウル出場を決めたフィラデルフィア・イーグルス(略称・PHI)。

こじつけるどころか諦めてスラムダンクになってしまいましたが、そんな感じです。一流選手を表彰する「NFL TOP 100」を見ても、昨季は上位に挙げられた選手がいませんでした。しかし今季は NFC トップの成績を残したのです。

チーム全体としてアイシールド 21 に強引にこじつけるのが難しいのですが、「神龍寺ナーガを倒すために集まった関東選抜」みたいな感じで考えるといいんですかねぇ。

“頂点への挑戦” ジェイ・アジャイ(RB)

若き司令塔の故障によってパス攻撃が弱体化したイーグルスにとっては、ラン攻撃が生命線になります。そのラン攻撃を牽引するのがアジャイです。

身長 183 cm / 体重 104 kg と、スピードが求められる RB としては重量級。そのため、アイシールド 21 こと小早川セナというよりは、倒れないことを売りにしている帝黒アレキサンダーズの大和猛、ロデオドライブで相手をかわす西部ワイルドガンマンズの甲斐谷陸のほうが近い。ただ、まだ 24 歳の若手で調子の波が激しく、一流ではあるものの超一流という評価までは受けていません。

重要なのは、アジャイがシーズン途中に電撃トレードで加入したということ。チームとしては本気でスーパーボウルを狙うという意味の補強であり、アジャイは “優勝請負人”・“最後のピース” として主人公待遇で加入したわけです。古巣でコーチと揉めたから放出されたみたいな話はまぁ置いといて。

“60ヤードマグナム” ジェイク・エリオット(K)

アメフトはロースコアのゲームになるとキッカーの実力で流れが大きく変わります。キッカーの射程距離が長いと、守備陣には「これ以上進まれたら、少なくともキックでの 3 失点は確定」というプレッシャーがかかるわけです。

エリオットは新人選手ですが、リアルに存在する “60ヤードマグナム” です。

新人キッカーのジェイク・エリオット(22歳)が残り51秒に46ヤードの同点FGを決め、終了直前にはコーチ陣に「蹴るチャンスをください」と直訴して、61ヤードのロングFGを成功させた。

参考:新人キッカーが61ヤードのFGを決めてイーグルスが勝利 劇的な幕切れ

プレーオフ初戦では「20 ヤードちょいの短い FG を外し、 60 ヤード弱の長距離 FG を決める」という荒れ球っぷりを見せてくれたので、そのへんもムサシに近いですね。

“そびえ立つ壁” フレッチャー・コックス(DT)

イーグルスは守備のチームですが、特に “フロントセブン” と言われる前衛の選手が強力。相手の RB が走り抜ける隙間を与えないことで、攻撃の芽を確実に潰すことができます。

今季、相手のラン攻撃に対する守備の成績は NFL トップということで、とにかく “押し負けない”。そんな強力なラインの中央を固めるのがコックスです。

アイシールド 21 でいえば栗田とか番場とかあのへん。

“QB 絶対潰すマン” ブランドン・グラハム(DE)

守備ラインの端(エッジ)に位置する選手は “パスラッシャー”・“エッジラッシャー” などと呼ばれ、相手のパス攻撃のときに QB を潰すため猛然とラッシュをかける能力が重視されます。DT は縁の下の力持ちという感じですが、DE は花形ポジションで、活躍してカメラに抜かれるシーンは多いです(※フォーメーションによっては役割が大きく変わるのですがそのへんは割愛)。

アイシールド 21 では「相手の QB を病院送りにして勝つ」という白秋ダイナソーズの要・峨王力哉が(DT ですが)最強のラッシャーとして描かれていました。

グラハムは今季サック数の自己記録を更新し、チーム内でもぶっちぎりのトップです。リアル峨王といえる選手は他チームにいるのですが、今回は強引にこじつける企画ということでとりあえず “ミニ峨王” くらいの感じで。


初心者でもこれだけは押さえておきたいアメフトのルールをおさらい

漫画やアニメ観てたの昔すぎて覚えてねぇよって方は一度おさらいしてみましょう。

基本的には陣取り合戦で、攻撃側はひたすら前に進むことを目指します。守備陣は押し込まれないように相手を後退させるほど、次の攻撃ターンが有利になります(が、攻撃的な守備をするほど後ろを取られるリスクも増します)。

  • 攻撃側は、4 回プレーしてある程度前に進めなかったら攻撃終了です
  • 1 回ごとに細かくプレーが区切られます(よくテンポが悪いといわれますが、時計との戦いという意味があるので、慣れてくると駆け引きとして楽しめるようになります)
  • ある程度前に進めたら、攻撃回数がリセットされて次がまた「1 回目」になります(ファーストダウン獲得)
  • 相手のゴールまでボールを持って突入すれば 6 点が入ります(タッチダウン)
  • タッチダウンしたら、ボーナスゲームができます(結果によって 0~2 点が入ります)

というのが基本で、あとはもうちょいつっこむと

  • 4 回目の攻撃が失敗するとその地点で攻守交代して不利になるので、たいてい 4 回目は「キック」です
  • 通常の「パントキック」は「陣地の回復(次の守備を有利に進めること)」が目的です
  • 相手のゴール前まで進んでいた場合に行なう「フィールドゴール」は、言ってみれば「妥協した終わり方」で、成功すれば 3 点が入ります
  • 基本的には 6 点+ 0~2 点を目指しつつ、失敗してもできれば 3 点は取りたい、という感じです。
  • そんなわけで、攻撃側はとりあえずフィールドゴールが蹴れる位置までは進みたいところです

といった面もあるので、キッカーにムサシがいる今年は特にゴール前だけでなく “FG 確定エリア前” での駆け引きも見どころです。

「フォーメーション」、「時計との戦い」や「反則」まで一気に覚えようとするといろいろ複雑になるので、基本的なルールを覚えてから手を出すことをおすすめします。

あとはまぁコミックスを読み返したりもするのが一番わかりやすいと思います。

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個人的にはやっぱりクリフォードが好きです。クリフォードが好きな人がおられましたら来季からはシアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソンあるいはヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソンを応援しましょう。

カード捌きってのはな、『あのカードを出すかもしれねぇ』って思わせたらその時点で勝ちなんだよ、青二才

この教えはペイトリオッツの “戦術・グロンコウスキー” を観るとよくわかりますね。グロンクを警戒してたらルイスとかホーガンとかアメンドラにボコボコに殴られる感じ。

今季の見どころと放送予定

今季はレギュラーシーズンこそ大波乱でしたが、NFL の 31 チームのファンからすると、「今年も神龍寺か…(諦め)」「波乱は…無しだ」という感じでプレーオフが終了したわけです。

とはいえジャガーズはあと一歩のところまでペイトリオッツを追い詰めたわけで、同じ守備型のイーグルスとしては参考になったのではないでしょうか。まぁ相手からしても同じなんですけど。

ということで、見どころとしては「10 年に 1 人の天才(それも 1 人じゃない、2 人だ…)率いる最強・神龍寺に挑む凡才たち」という画で捉えるのが一番いいんじゃないすかね。イーグルスファンにはちょっと失礼かもしれませんけどネームバリューと実績的な意味でね。

なお放送時間は日本時間 2018 年 2 月 5 日(月)8:00~。

視聴手段は NHK-BS, DAZN, GamePass。

ほんま試される大地・Japan なんですよねー。日付変わって 6 日の 0:50 から再放送ありますし、恵比寿のどっかの飲食店では夕方から追っかけ再生でパブリックビューイングやるらしいですけど。